第43回『実樹の禁断賞状💮』
2025年7月19日。
夏休み突入でしょうか🌻☀️
圧倒的サマーヌード💪🦵
僕ら今から
はしゃぎすぎてる
夏の子供に
なりませんか?👧👦
子供が片方なくすものランキング、
堂々の第1位と言えば、
『サンダル』です🐾
“新しいサンダル”って、
歩くだけで自動的に、
自傷行為を招いてる場合もあるので、
ご注意を。
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表彰状「靴擦れを招く新しいサンダル、意識が高すぎるかき氷、真夏の洗礼を浴びながら、友のために走ったメロスへ」
マンションの扉を出たその瞬間、
熱気が顔を撫で、
(お出かけするぞ🔥)
という意気込みと、
ファンデーションを溶かした。
いつもよりもアスファルトが地獄だ。
灼熱の地面が、私の足裏の皮膚を炙る。
…しまった。
今、履いているのは、
昨日ZOZOから届いた、
新しいサンダル。
韓国系のブランドで最近、流行ってるらしい。
らしい。
周りで履いてる子は見たことない。
どうしてこんな日に、
このサンダルを選んでしまったのか。
ミキコに、
「1人じゃ入りづらいから、付き合って🥺」
そう言われたのは5日前。
インスタで見つけたらしい、
人気のかき氷屋さん。
ホームページを覗くと「宮廷料理」くらいの仰々しさでかき氷が載せてあった。
キャッチコピーの「賞味期限10分」
そりゃそうだろう。
溶けるからである。
しかし、ミキコが行きたいと言う。
どうしてもインスタのストーリーに載せたいと。
だが1人じゃ行けないと。
古民家をリノベーションした外装は確かに、1人で入るには勇気がいりそうだった。
この子は1人でそんな空間に入っていけない。
なら私が…と、
私は今日、メロスのごとく立ち上がったのだ。
意識高すぎるかき氷屋の立地は、
最寄駅から徒歩17分。
なぜか、タクシーを使うという発想は浮かばなかった。
ZOZOで買った履きなれぬ新しいサンダルの靴擦れに気を取られていたからだ。
暑い。
汗が、脇から、背中から、耳の裏から、噴き出している。
なのに、周りを歩く人々はなぜかサラサラして見える。
あれ? この人たち、本当に汗腺あるの?
最初の角を曲がったあたりで「いたっ」と声が出る。
ちょうどいいサイズのマメが、足の甲にぷっくり育っていた。
その時、タクシーが目の前を通り過ぎたが、ここまで耐えて、
今さらタクシーを利用することに敗北感が生まれ、
開きかけたGOアプリをそっと閉じた。
そういえば、昨日の夜に「なんか荷物重いな〜」って理由で、
カバンの中の絆創膏のポーチを捨てたんだった。
今日ほど、“絆創膏という概念”を欲する日はない。
たぶん、いま私の歩き方、
赤ちゃんの初めての一歩みたいになってる。
または、女風関連のエロ動画でセラピに電マで責め立てられてる子のようだ。
イマジネーションの幅の広さ。
私の売りである。
通りかかったお家の窓にひまわりが沢山咲いていて、綺麗だった。
いや、よく見たらピカチュウのぬいぐるみが窓の外に向かって大量に並べられているだけだった。
キチガイの家だ。
私も、かなりきている。
やっと、店の前に着いた。
涼しい顔つきの女子たちが列をなしている。
ミキコはまだ到着していない。
列の後ろに並ぶと、
ベレー帽を被った店員のお姉さんに、
「すいません、あっちも並んでるんです」
と離れた場所を指さされた。
これはかなりの行列だ。
かき氷、1600円。
ハッキリ言ってめちゃめちゃ高いと思う。
でも、私はミキコのためにと、
新しいサンダルで足を痛めながら、
この場所を目指した。
走れメロスの如く、献身的に。
正直「かき氷に1600円出すの、たけぇなぁ」と思いながら、
それでも走った。
途中で投げ出すチャンスはいくらでもあった。
クーラーの効いた部屋の中で、
家族サイズのピノを食べながら、
Netflixを観ていた方が、
私にとっては幸せである。
でも、私はミキコのためにと、
ここまで来た。
ミキコが、私とならどんな意識の高いかき氷屋さんにでも入れると、
信じてくれたからだ。
「遅れてごめ〜ん」
ミキコがやってきた。
「うわ、めっちゃ人並んでるねぇ」
そう言うと、ミキコは使い古されたエコバッグから、
ガリガリくんの袋を取り出した。
「これ食べたら…もう満足かもw え、猫カフェとか行かな〜い?」
私は激怒した。
報われなかった、真夏のメロスにこの賞を贈ります。
東京萬天堂・実樹
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絆創膏、常備しておくのでいつでも言ってください☺️
報われない日はもちろんあるけど、
それでも新しい服を着て、
街に繰り出そうね🌃🌇✨
【X】
@miki_mantendo

