最初の大きな波が体を貫いた瞬間、全身の力が抜けて、ベッドに沈み込む。
けれど、そこで終わりではなかった。
触れられる場所は変わらないのに、感覚はさらに研ぎ澄まされ、少しの刺激でも体が敏感に跳ね返す。
「もう十分…」と頭では思っているのに、体はもっと求めてしまう。
彼の手がわずかに動くだけで、また熱が込み上げてくる。
押し寄せては引いていく波のように、余韻が消える前に次のうねりがやってくる。
それは一度目よりも強く、深く、全身を揺さぶった。
「っ……!」
声にならない声がこぼれ、体が勝手に震える。
シーツを握る手に力が入り、涙がにじむほどの強烈な快感に身を委ねるしかなかった。
そしてまた少し落ち着いたと思った矢先、三度目の波が押し寄せる。
まるで際限なく、何度も打ち寄せる潮のように。
そのたびに心も身体も解けていき、恥ずかしさも理性も遠く消えていく。
やがてすべての波が静まり、ただ温かい余韻だけが体を包み込む。
荒い呼吸の中で彼に髪を撫でられながら、
「大丈夫、すごく頑張りましたね」
と囁かれると、涙があふれてしまった。
それは恥ずかしい涙ではなく、
「こんなふうに満たされたのは初めて」という幸福感の涙 だった。
