夜が深まるほどに、僕の中の衝動は抑えきれなくなる。56歳――若さはもうないかもしれない。だが、積み重ねてきた時間の分だけ、触れ合う一瞬に重みと熱を込められる。新人セラピストとしては不器用かもしれないが、男としての欲と愛し方は、年齢を重ねてなお濃くなっている。
目の前のあなたに手を伸ばせば、胸の奥が熱く震える。肌の柔らかさ、吐息の甘さ…触れるたびに理性が遠のいていく。僕の指先は、相手を癒やすためにあると同時に、もっと深く愛したいという本能の表れでもある。
「まだこんなにも愛したいと思えるんだ」――自分自身が驚くほど、心も体も正直に反応してしまう。56歳だからこそ辿り着いた濃厚な時間。新人らしい初々しさと、男としての濃い欲望、その二つを包み隠さず差し出したい。
どうか、この腕の中で確かめて欲しい。僕が、年齢を武器にした“男”であることを。
