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写メ日記

全105件中21~30件を表示

龍生の投稿

秋の風と、匂い

10/04 11:15 更新

玄関を出たら  

金木犀の匂いがした  

どこだろうと思って  

歩きながら  
辺りを探してみる  

少し先の家に  

小さなオレンジ色の花が  
たくさん咲いていた  

毎年見ているはずなのに  

この匂いがすると  

「あ、秋だ」

って思う  

カレンダーより先に  

季節を教えてくれるものって  
あるんだな  

来年もきっと  

同じ匂いを見つけて  

今日みたいに  
立ち止まるんだと思う  

そんなことを考えながら  

もう一度  
金木犀の横を通ってみた  

今日も  
いい一日になりそうだ

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お昼、何食べよう

10/03 10:41 更新

朝ごはんを食べたばかりなのに  

もう  

お昼に何を食べようか  
考えている  

ラーメンもいいし  

カレーもいい  

久しぶりに  
お寿司も食べたい  

まだ全然  
お腹は空いてないのに  

頭の中だけ  
昼になってる  

こういう  

どうでもいいことを  
真剣に考えている時間って  

けっこう好きだ  

せっかくの一日  

楽しい予定なんて  

このくらいからで  
いいのかもしれない  

さて  

今日は何を食べようかな

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キャリーバッグと音楽と、オレンジの街灯

10/02 18:29 更新

サラリーマン時代  
転勤していた頃  

東京へ帰る夜は  
深夜バスに乗っていた  

キャリーバッグを引きながら  
レンガの通りを歩く  

オレンジ色の街灯  
飲み屋から漏れる笑い声  
少し湿った夜の空気  

知らない街なのに  
その時間だけは  
不思議と自分の居場所みたいだった  

どこか現実から  
一枚めくれたページを  
歩いているような夜  

バス乗り場に着くと  
大勢の人が並んでいた  

帰る人  
向かう人  
きっと何かを置いてきた人  

それぞれの荷物が  
足元に並んでいた  

ぎゅうぎゅうのバスに乗って  
イヤホンを耳に入れる  

音楽を聴いていたはずなのに  
だんだん聞こえてきたのは  
自分の心の音だった  

このままでいいのか  
どこへ行きたいのか  

答えなんて  
まだ何もなかった  

ただ  
ひとつだけ思った  

行く場所くらい  
自分で決めていい  

誰かが引いた線の上を  
歩き続けなくてもいい  

窓の外には  
オレンジの光が流れて  

その向こうに  
小さな月が浮かんでいた  

言葉にできない願いを  
月の光に預けながら  

バスは東京へ向かって  
静かに走っていった  

あれから  
いくつも道を変えた  

遠回りもしたし  
傷も増えた  

それでも今  
自分で選んだ場所に立っている  

あの夜  
レンガの道を歩いていた自分に  
今なら言える気がする  

迷ってもいい  

行き先は  
何度だって変えられる  

キャリーバッグの車輪が鳴るたび  
少しずつ  

自分の道が  
できていたのかもしれない

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距離

10/01 18:44 更新

帰ろうとしたとき  

「ちょっと待って」

って呼び止められた  

何かと思ったら  

「ここ、折れてる」

そう言って  

シャツの襟を  
直してくれた  

ほんの数秒なのに  

顔が近くなって  

ちょっとだけ  
ドキッとする  

「はい、これで大丈夫」

何事もなかったみたいに  
笑ってるけど  

こっちはたぶん  

さっきまでと  
同じ顔をしてない  

好きな人との距離って  

近づこうとしたときより  

こんな不意打ちのほうが  
意識してしまう  

またひとつ  

忘れにくい瞬間が  
増えた夜  

今日も一日  
おつかれさま

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知らない駅と青い花と、自由の道

09/27 20:52 更新

サラリーマンを辞めたのは  
自由になりたかったから  

あの頃は  
自由になれば  
何かが全部うまくいく気がしていた  

でも  
手に入れたものの隣には  
失ったものもあった  

大切な人と  
離れて暮らすようになって  

それでも時間は進んで  
ある日ふと  
花を贈ろうと思った  

生まれて初めて  
誰かのために花を選ぼうと思った  

カフェで仕事をしていた時  
なぜか昔よく聴いていた  
少しニッチなアーティストを思い出した  

久しぶりに調べてみると  
今は花屋をやっていた  

店の名前は  
アナスタシア  

家からは遠かったけれど  
そこまで行ってみたくなった  

知らない駅を降りて  
知らない道を歩いて  

少し迷って  
少し遠回りして  

その時間が  
妙に楽しかった  

たどり着いたのは  
看板もほとんどない  
小さな花屋だった  

そこで  
青い花を選んだ  

両手いっぱいに抱えて  
帰りの電車に乗った  

誰もいない車内で  
花と一緒に写真を撮った  

あとで見返した時  
そこに写っていたのは  

花を抱えた自分なのに  

なぜか  
これから先の自分にも見えた  

遠回りして  
迷って  
傷ついて  

それでも  
知らない場所へ行って  

見たことのない景色を見て  
また笑っている  

たぶん  
これからもそんな道を歩く  

山もあるし  
谷もある  

きっとまた  
傷だらけになる  

でも  
それでいいと思っている  

楽しい方へ  
面白い方へ  

自分で選んだ道を  
これからも歩いていきたい  

あの日  
誰かに渡すために選んだ青い花は  

気づかないうちに  

これから進んでいく自分にも  
少しだけ  
手渡していたのかもしれない

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柔らかいオレンジと夜の月と、ピエロの仮面

09/23 20:29 更新

綱渡りをする夜の上に  
細いロープが張られている  

足元の暗さを見ないように  
微笑む仮面だけが揺れていた  

余裕の表情を浮かべたピエロが  
街灯の粒で影を落とす  

落ちた奥には  
柔らかいオレンジがあると  

囁く音が  
グラスの底で泡に沈んでいた  

はじける炭酸は少しずつ  
アルコールの香りに溶けて  

喉の道を通るたび  
胸の洞窟に小さな針を残す  

夜の月の中  
音だけが鳴り続く部屋で  

手に込めた温度が  
細い糸を編むように残っていた  

もうすれ違わない人の名前が  
夜明けの窓の雫に映っている  

それでも今日の光だけが  
海に沈まずに済むなら  

ピエロの仮面に落ちた涙も  
少しだけ七色に見える  

指で作った十字が  
テーブルの端で共鳴していた  

言葉にならない沈黙が  
何度も繰り返し戻ってくる  

歌えなかった言葉ほど  
ひび割れたスピーカーの奥で鳴り続ける  

朝になれば鳴りやむ音を  
夜の間だけ抱きしめていた  

繋いだ指の記憶が  
絹の柔らかさと揺れている  

落ちる重力より  
ひとりで渡る静けさが怖かった  

影が重なる薄明かりの中で  
集めた思い出が転がって  

開かない小窓の朝の隅に  
小さな陽射しが入り込む

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硝子のネオンとグレーな朝と、星屑の雨

09/15 19:58 更新

空のような心に  
雨音だけが流れていた  

埋め込んだはずの温度は  
硝子のネオンに滲んでいく  

あてもなく歩いたレンガ通りに  
雨に染まった言葉が落ちている  

記憶に隠れた返事ほど  
小さなノイズで光ってしまう  

雫と通知の明かりが  
指先の渦に冷たく残って  

笑えない月明かりの真ん中で  
傘だけが道端に置かれていた  

影と見上げた空には  
七色の粒が浮かんでいる  

霧をまとった視界が  
古いフィルムの中で揺れて  

刻まれた振動の奥で  
胸の空白が静かに響いていた  

最後に掴んだ小さな光は  
靴紐に宿っている  

錆びついたシャッターの絵も  
雨にぼやけて形を失くした  

陽が落ちた記憶ほど  
月の底で影が音になる  

グレーな朝のレンガ通りに  
あてのない足跡が続いていた  

雨に埋もれた服のまま  
濡れた髪が頬に落ちる  

止みそうな空の境界線に  
生まれたての雨が降り出して  

光を追う音だけが  
濡れた街を優しく照らしている  

開かない傘のそばで  
水滴へ落ちた心が揺れていた  

星屑の雨に沈む街で  
地面に溶けた光が踊っている

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答えのないパズルと湾曲したレンズと、甘いオレンジ

09/02 23:46 更新

答えのないパズルが  
古いパソコンに映る  

誰のせいでもない横顔が  
冷たいコップで沈黙していた  

透明な誰かの噂が  
窓の隙間から薄く入り込む  

不協和音の波は  
部屋の隅で静かに囁いて  

ちらつく蛍光灯の光ほど  
歪んだレンズに反射する  

置いてきぼりの宝物が  
本棚の奥で小さく鳴っていた  

踏み外したルールの線路は  
雨に濡れた花みたいに滲んで  

シナリオを描いたゲームが  
朝の光に繋がっていく  

ジャッジされた勝者の影が  
街灯の下で斜めに伸びる  

湾曲したレンズ越しに  
公園で見上げた雲があって  

言い訳を挟んだ栞が  
羽のように散らばっていた  

諦めの香りが  
小さな換気扇へ流れていく  

灰色が降る世界で  
薄い刃だけが灯っている  

人を裁く音が  
固い壁に染みついて  

仮面を被った矛盾が  
鏡の後ろで息をしていた  

片付けた心には  
柔らかい布がかけられている  

蜜と毒を混ぜた出来事を  
誰もが静かに飲みこんで  

甘いオレンジの底に  
苦い皮だけが残る  

気づけば蜃気楼の街で  
すれ違う人の糸がほどけていた  

染みついたフロアの匂いと  
鳴り続く誘惑の音  

守るためだったはずの線路の向こうで  
足跡だけが響いている  

向かい合った名前の影が  
生贄を探して夜を歩く  

免罪符のガラスには  
あの日の月が浮かんでいた  

空洞の食卓が  
部屋の真ん中で口を開けたまま  

蓋をした鼓動の奥で  
リズムだけが響いている  

朝の海の中で  
漂流した街は眠ったまま  

宝探しの問いだけが  
軋んだテーブルに戻ってくる  

目隠しされた瞳の奥で  
誰にも触れられない光が震えている

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雲の柱と窓辺のブラウンと、踊る足音

08/26 18:17 更新

雲の柱が昇った先に  
夕方の雨が舞っている  

頬に染みる風だけが  
地平線の景色を知っている  

雨が落ちるシナリオの上で  
古い栞が静かに外れて  

思い出だけを並べた机に  
淡いオレンジが差し込んでいた  

足を踏み入れた森に  
懐かしい空気が流れている  

夜の音に笑っていた記憶が  
窓辺のブラウンの中で小さく揺れて  

遠くなった霧の時間ほど  
朝の道で鮮明に光っていた  

未来の不安を抱えたまま  
古傷の背中を起こす  

眠りの浅い街に  
音の波だけが送られて  

届くかどうかも知らない手紙が  
雨上がりの道端に滲んでいる  

手を伝う冷たい汗の奥で  
血潮が風のようにめぐり  

芽吹いた感情が  
光の綿と遊んでいた  

帽子に残った汗も  
部屋に降る通り雨も  

夜明けまで伸びた影も  
胸の内側にトンネルを作る  

沈んでいた日々の欠片から  
手の中に包んだものが  

今では陽炎の盾のように  
吐息に埋もれていく  

香りだけが漂う朝に  
勝手に溢れてくる気配があって  

タイミングを逃した光が  
小窓の雫に揺れている  

見上げる景色を描くたび  
靴紐に蝶が降りる  

宙を巡る太陽が  
踊る足音を響かせて  

雨と光の大通りに  
新しい風が円を描く  

時計塔を潜った先で  
光がまだ物語を探している

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霧のかかった街と道端の花びらと、月色の空

08/18 11:32 更新

霧のかかった街に  
靴紐が流れるようにほどけていた  

足音を揃えた人たちが  
駅の階段でひしめき合う  

落ちる風を読むたび  
窓が温もりで曇っていく  

決められた服の自分  
鏡の雫に映りこむ  

無表情な輪郭をなぞるほど  
足元の影が色を無くしていく  

隠したはずの鎖が  
首元で小さく揺れて  

連れ添った鞄の底で  
忘れた文字が音を立てる  

木陰の下で  
脱いだ靴が  

扉の片隅で  
光の粒と舞っている  

足踏みだらけの道端に  
消えかけた白線が川を作る  

音に沈む夜ほど  
時計の針が静かに聞こえる  

グラスに収まった夜明けが  
透明の端で揺れている  

崖を登るような階段に  
道端の花びらが落ちていた  

一ミリの風船が  
風の塔でまた崩れて  

鳴りやまない予報の隙間から  
月色の空がこぼれていく  

つま先の跡も  
踊った息も  

雲の時間の底で  
オレンジの灯りになっていた  

霧から覗く手のひらに  
まだ温度が残っている  

朝の始まりに置かれた鏡が  
遅れた光を映す  

寝息のひとつが  
鎖の中で鼓動している

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