こんばんは。千です
夜は冷え込むようになり、夏の終わりを感じますね
実は先日少し変わった体験をしたので、日記に記録します
あれは9月の中頃、まだ暑さが残る夜のことでした。
寝苦しさから目を覚ました僕はトイレに向かいました。
あたりは暗く、時計を見ると深夜の3時ごろ。
物音1つしない静かな夜で、些細な音もよく聞こえます。
ふと遠く耳を澄ますと、すすり泣く女性の声が聞こえてきました。
声の主は移動しておらず、どうやら通りすがりの方ではないようです。
しばらく声を聴いていると、やがてドンドンと壁に何かがぶつかるような鈍い音が響いてきました。
不安に思い声のもとをたどると、玄関の外に誰かいるようです。
ドンドンと響く鈍い音もそこから聞こえていました。
恐る恐る扉を開けると
若い女の子が自宅の塀にもたれて座り込み、うつむいたまま何度も壁に拳をぶつけています。
顔はよく見えませんが、色白く華奢な彼女の手は真赤に染まり、極限に達した怒りと悲しみが伺えます。
”このまま寝られないし、未成年だったら放置できないな…”
そう思った僕は恐る恐る声を掛けます。
「あの、、、大丈夫ですか?」
壁を何度も殴っていた腕がピタリと止まります。
「、、、大丈夫です」
真白い肌に、涙で赤らんだ頬と眼がゆっくりとこちらに向きます。
千「きっと、ツラいことがあったんですよね」
娘「、、、」
千「ご家族やご友人とは連絡取れますか?」
娘「、、、連絡してみます」
詳細は聞きませんでしたが、ツラく苦しいご経験をされたご様子の女の子でした。
話しているうちに女の子は泣き止みましたがしゃくりあげるような仕草があったので、近くの自販機まで行ってお水を買って戻りました。
千「これ、よかったら飲んでください。落ち着くと思いますから」
娘「、、、ありがとうございます」
千「では。僕はここの家の者なので、何かあったら呼んでくださいね」
娘「、、、(頷き)」
そうして自宅に戻り、10分ほどするとご友人と思われる女性がやってきて、介抱するお声が聞こえてきます
心配して駆けつけてくれるご友人がいてよかったと胸を撫でおろし、僕は再び眠りにつきました。
夜が明け、ゴミ捨てのため外出したついでに、彼女がいたところを通りがかりました
そこで僕は悲劇を目の当たりにしてしまいます
そこには
僕なりの気遣いとやさしさが、未開封のまま転がっていました
”そりゃ見知らぬアラサーにもらった水は怖いかもしれんけどさ。”
”わざわざここに捨ててかなくてもいいのに。。”
切なさを胸に、ボトルを処理する晩夏の朝でした
※ノンフィクションです
萬天堂 千