甘い煙をまとった夜が
船の器へ溶けている
好きだった音色が
指先の奥に残っていた
天井を見上げる眼差しが
翡翠の魔法でほどけて
時計に映る空に
伸ばした手だけが浮かぶ
街路樹に足跡が消えて
言葉に願いが落ちる
片道切符の旅の途中で
月明かりが靴音と重なる
渡したかった物語が
星の瞬きに吸い込まれる
描きかけの絵の果てに
影が寄りかかって滲んでいて
胸に銀の温もりを感じながら
オーロラの夜を泳ぐ
繰り返すメロディ
トンネルの森が深くなっていく
途切れそうな夢の欠片を
硝子の気泡に閉じ込めて
オレンジの道を歩くたび
雨の温度が少し変わる
午前0時に落ちる針
窓に映る香りが消えない
描きかけの宙の絵が
あの日の雲の中で光っている






















































































































































































































