施術をしていると、
「急がない方がうまく流れる」——
そんな場面に何度も出会う。
身体って、本当に正直で、
ほぐそうと“攻める”ほど固くなる時もある。
委ねられる環境と時間があると、
ゆっくり、静かに、
本来の性エネルギーの流れを取り戻していく。
性エネルギーは水のようなもの。
押し込めれば滞り、焦らせれば濁る。
けれど、安心の中にいるときだけ、自然と広がっていく。
日々人はみんな色んなことを抱えていて
最初は胸の奥に硬い壁のような緊張があって、
触れれば触れるほど呼吸が浅くなっている。
でも、無理に進まず、ただ一緒に呼吸を合わせ、
身体が「今なら大丈夫」と言ってくれる瞬間を待つ。
その“時間”が、何よりも大切だ。
やがて壁がふっと溶けるように緩んで、
お腹の奥からあたたかいエネルギーが流れはじめる。
それは僕の力じゃなくて、
その人自身の「生きる力」が目を覚ました瞬間。
そのとき、思う。
時の流れって、本当に優しい。
急かさないし、否定もしない。
必要なときに、必要な速度で、
人をそっと前に進ませてくれる。
性エネルギーも同じ。
焦らず、比べず、ただその人のペースを尊重すると、必ずその人だけの美しい流れが生まれる。
“時間が育ててくれた瞬間”に立ち会えたときセラピストとしてやってきてよかったと僕自身もそんな瞬間に出逢うんだ。
時の流れは、本当に優しいんだよ。















































































































