今回は、肌寒さが増す季節に聴きたくなる一曲を紹介します。
Autumn Leaves / Bill Evans Trio(1959年)
👉 https://youtu.be/C1mMsz2I1c8?si=A_BHtrfK-fGNFfAU
Bill Evans(ビル・エヴァンス)は、幼い頃からクラシックを学び、その美学をジャズに持ち込み、独自の表現を確立しました。
“ジャズ史で最も美しい音を出すピアニスト”と評される、きわめて特別な音楽家です。
そして、そのBill Evansが 30歳の時に結成したのが Bill Evans Trio で、3人が同時に相互作用しあう “インタープレイ” のスタイルを切り拓いた と言われています。
“Autumn Leaves” は、そのインタープレイが最も美しい評価される名演で、ピアノ=メロディ、ベース=伴奏、ドラム=リズムという役割分担を超え、互いの音に即座に反応しあう対話的な即興が最大の魅力です。
Bill Evans(ピアノ)、Scott LaFaro(ベース)、Paul Motian(ドラム)の3人は、ジャズのマナーに忠実でありながら、それぞれが個性を解き放ち、まるでひとつの呼吸を共有するように音楽を展開していきます。
私が特に好きなのは、ベースのソロからピアノとドラムが合流していく場面です。
ベースだけが残る瞬間、曲の温度がふっと下がり、静かな空気が広がる。
そこへピアノがそっと和音を置き、会話がゆっくりと動き始め、
さらにドラムがひとつ音を重ねるたびに、風景が少しずつ立体的になっていき、
そして再びメロディが戻る瞬間、秋の景色が鮮やかに立ち上がり、
冷たい空気にふと温度が戻ってくるように感じられます。
音だけでこれほどの情景を描き出すBill Evans Trioの即興演奏は、何度聴いても胸が高鳴り、秋の冷たさをそっと温めてくれます。
この曲をイメージして絵を描いたので、ぜひ音楽とともに楽しんでください。



























































































































