【全ての貴女に捧げます】
鉢植えをベランダに出したある日、ふと過去を振り返っていた。
痛みや、報われなかった想い。
誰にも言えなかった決意や、行動に起こせなかった日々。
僕が会う女性たちは、みんな心に一本の枝を持っている。
挿木のように、新しい場所で根付こうとしたその枝が、まだ根を張る前に、諦めてしまいそうな時。
僕の仕事は、土をあたため、水をやり、静かに寄り添うこと。
僕の年齢は、もう派手ではないけれど、経験の重なりがある。
すべてが「大丈夫だよ」と、肌より深い場所に届くように心がけています。
風俗と言うと、「ただの身体のやりとり」と思われがちですが、僕が本当に届けたいのは、安心と肯定感。
誰にも触れられていなかった心の奥。そこにそっと手を伸ばすような時間を、一緒に過ごせたら嬉しい。
今日もまた、小さな枝がそっと、心のどこかで芽吹くことを願いながら。
