時々ふと考えるんだ。
自分がセラピストを選んだ理由は、刺激でも特別な出来事でもなく、目の前の貴女の「心の温度」を少しだけ上げたい——そんな想いだったはずだと。
触れるという行為は、とても曖昧で繊細。
温もりひとつで、安心にも、不安にも転じる。
だからこそ、言葉以上に“貴女自身”を聴くことが大切だと思っている。
強さより、強さを必要としない柔らかさ。
沈黙を埋めるのではなく、沈黙を守る静けさ。
それが、僕が思うセラピストの役目に近い。
歳を重ねれば重ねるほど、人は誰にも見せない心の層を持つようになる。
「大丈夫」と笑いながら、奥のほうではずっと張りつめていたりする。
そんな見えない場所に、そっと触れられる存在でありたい。
綺麗事じゃなくて、ただその人がその人のままでいられる時間を差し出すこと。
そこに価値があると信じている。
人の痛みや静かな願いに寄り添えるようになりたいと常に考え思ってりは。
経験が増えたというより、余計な力が抜けて、心の目が開いたのかもしれない。
セラピストの役目——
それは「癒す」ことも大切だし「満たす」ことも大切、しかしその人の中にある本来の輝きを取り戻すことが一番大切だとも最近は感じている。
もし今、誰にも言えない想いを胸にしまっているなら、その重さごと受け止められる人間でありたいと思っているんだよ❢



























































































