扇風機の音と
雨の音が重なり合う
長い雨の中
いつも届く星からのメッセージは
今日は画面を光らせなかった
電車に揺られながら
永遠のように感じていた梅雨を抜けると
目の前に広がった景色は
薔薇の香りと
甘いクリームの匂いが混ざっていた
夏の蜃気楼の中
アイスのカフェラテよりも
熱いコーヒーを選び
4分の4のリズムに身を委ねて
夢の中へと落ちていく
銀河の中で
星は変わらず瞬いていた
その光は
あの日の空気のぬくもりと
掌に残った温度を
静かに孕みながら
これからの道を
そっと照らしていた
雨の中
空を見上げる
明日も、その先も
きっと星は光っている
そう思えた
