世界の皆さん、こんにちは🌎
今日はお盆入り、迎え火の夜です。
門口に火をともし、提灯を揺らし、精霊棚に水と季節のものをお供えする。
きゅうりの馬は早く会いたい気持ち、ナスの牛はゆっくり帰ってほしい願い。
小さな作法の一つひとつに、「会いに来てください」と「またね」が重なっています。
考えてみれば、僕たちの暮らしは、顔も知らないほど遠いご先祖の選択と手仕事に支えられてきました。
畑を耕し、家を守り、誰かを看取り、次の世代へ背中を押す——名前の残らない行いの積み重ねが、いまの食卓や笑い声、屋根を打つ雨音までを整えてくれているのだと思います。
「ありがとう」と言える相手が、今日だけははっきり思い浮かぶ。
直接会えなくても、線香の香りや、火のぬくもりや、食器の触れ合う音に、記憶はそっと姿を表します。
帰省できない人も、窓を開けて外の風に手を合わせたり、好きだった料理を一品だけ作ったり——それだけでも十分に道しるべになるはずです。
信仰の形式が違っても、思いは同じ。
「あなたたちがいたから、僕らがいる」。
この当たり前こそ、いちばん大きな奇跡。
受け取ったものを、僕らの番で丁寧に使って、また次へ渡していきます。
どうぞ、ようこそ。
今夜はゆっくりしていってください。
あなたたちのおかげで、今日も僕らは暮らしています。
世界
