自分を忘れたくなくて
作った銀色の首飾り
歩くたびに揺れて
胸を静かに叩く
霞んだ朝もやは
ちぎれた記憶を映し出し
8ミリフィルムのように
淡く色をつけていく
映画館で観た映画よりも
現実はずっとハードで
長い夜を描き続ける
空を見上げたら泣き出しそうになる
それでも首飾りが揺れるたび
静かに背を押すように
この夜を使い果たし
心を揺らして歩いていく
周囲に合わせて
息を潜めて生きることに
意味なんてない
きっと普通の社会に居たら
ただの“使えない人”
けれど首飾りの鼓動と
心を叩く音楽が
僕を連れ出す
自由の風を纏い
道の端を歩いていく
銀色がリズムを刻むたび
心は揺れ
その揺れが波紋となり
遠い誰かの胸を震わせる
虹のかかる雨はきっと降り
濡れた道を照らしながら
未来へ続いていく
