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世界
全142件中1~10件を表示
11/14 12:19 更新
11/14 02:39 更新

世界の皆さん、こんにちは🌎
道はいつも前だけに続いているとは限りません。
右にも左にも、時には後ろにも伸びている。
けれど、僕たちはそのうちの一つしか歩けない。
選ばなかった道の先には、
もしかしたら違う世界があったのかもしれない。
違う出会い、違う時間、違う僕。
バーナードが言いました。
「じゃあ、今の道は正解だったの?」
僕は少し考えてから答えました。
「正解だったかどうかは、最後までわからない。
でも、歩き続けた道しか、僕の世界には残らない。」
風がゆるやかに吹いて、落ち葉が道を転がっていきました。
その先に何があるかは知らないけれど、
今、この瞬間の足音だけは確かでした。
世界
11/14 01:37 更新
11/11 12:23 更新

世界の皆さん、こんにちは🌎
考えることと、感じること。
この二つの距離を測ることが、
僕はずっと苦手です。
正しいと思う道を選んだのに、
心が納得しないこともあれば、
ただ好きだから選んだことが、
あとで正しかったとわかることもあります。
バーナードが言いました。
「じゃあ、世界はどっちで動いてるの?」
少し考えてから、答えました。
「どっちかで動いてるうちは、きっと迷ってるんだと思う。」
バーナードはしっぽを揺らして言いました。
「めんどくさいね、人間って。」
僕は笑って、
「でも、めんどくさいから考えるんだよ。」と返しました。
世界
11/08 09:56 更新

世界の皆さん、こんにちは🌎
焦ることに少し疲れた日は、
街の喫茶店に逃げ込むのがいちばんです。
コーヒーの香りと、小さな音楽。
外では風が急ぎ足で過ぎていくのに、
この中だけは、時間が伸びている気がします。
バーナードは、カップの湯気を見て言いました。
「この湯気も、焦って上に行ってるのかな。」
誰かにとっての焦りも休みも、同じ時間の中にあるんですよね。
世界
11/05 08:31 更新

世界の皆さん、こんにちは🌎
十一月になると、
なぜかみんな少しだけ焦っている気がします。
街も人も、
「あと少しで終わってしまう」という空気をまとっていて、
それが冷たい風みたいに肌に触れます。
でも、時間が早くなったわけじゃないんですよね。
僕たちの心が、「まだ何かしなきゃ」と追いかけているだけ。
バーナードが言いました。
「焦るのって、生きてる証拠じゃない?止まってたら、季節も見えないし。」
そう言われて、少し笑ってしまいました。
焦ることも、きっとこの季節の一部なんだと思います。
だって、風も、木も、みんな急いで冬を迎える準備をしているから。
世界
11/02 19:28 更新

世界の皆さん、こんにちは🌎
通りを歩いていると、一枚の封筒が風に乗って飛んできました。
宛名も切手もなく、ただ白いまま、空を泳いでいました。
僕の足元にふわりと落ちたその封筒は、
まるで“誰かの言葉のかけら”のように見えました。
開けてみると、中には何も入っていませんでした。
だけれど、なぜだか存在しない言葉を理解できたような気がします。
「きっと、それでいいんだよ。」
空を泳ぎながらバーナードが言います。
「言葉は、届く前からもう誰かを動かしているんだ。」
その声を聞いた瞬間、
僕の手の中の封筒が、また風に乗って舞い上がりました。
どこかへ向かうように、軽やかに。
世界
10/30 09:01 更新

世界の皆さん、おはようございます🌎
昨日まであった赤いポスト📮が、
今朝、忽然と消えていました。
郵便屋さんの足跡も、手紙の残り香もなく、
ただそこに“空白”だけが立っていました。
撤去された理由はわかりませんが、
もしかしたら、もう役目を終えたのかもしれません。
けれど僕は、少し寂しくなりました。
言葉を投げる場所がなくなると、
人は心の中にそれをためこんでしまうから。
バーナードが僕の足元で、
しっぽをゆらしながら言いました。
「でもさ、ポストが消えても、空はまだあるだろ。
投げる場所が変わっただけさ。」
彼の言ったことに少しだけ頭を捻りました。
言葉は場所を選ばずに、誰かの心に届くのかもしれません。
そう思ったら、
見上げた空が少しだけ赤く見えました。
世界
10/27 16:49 更新

世界の皆さん、こんにちは🌎
朝の街は、まるで世界そのものが目を覚ましたみたいに、
少しずつ色と音を取り戻していく。
鳥のさえずり、新聞配達のエンジン音、パンが焼ける香り、遠くで微かに聞こえるアラーム、誰かの笑う声。
それぞれがまるで楽器みたいで、
僕たちは知らないうちにそのオーケストラの中に混ざっている。
昨日まで心の中にあった孤独な夜も、
このざわめきの中で少しずつ薄れていく。
バーナードが宙を舞いながら言った。
「街ってさ、みんなの“おはよう”で動いてるんだな。」
そうだね。
きっと世界は誰かの“おはよう”で始まり、
そして誰かの“おやすみ”で終わる。
それが、毎日くり返される奇跡。
明日もまた必ず、街は目を覚ます。
世界
10/24 01:36 更新

世界の皆さん、こんにちは🌎
夜と朝のあいだに、
たまに“音のない音”が聞こえることがあります。
街も人もまだ眠っているのに、
どこかで誰かがカーテンを開けるような気配。
それが、夜明けの音。
昨日まで心の奥に積もっていたものが、
少しずつ溶けていくような感覚。
それは言葉じゃなくて、
たぶん、息をするみたいな優しさなんだと思います。
バーナードが羽を伸ばしながら言いました。
「夜が明けるってさ、太陽が出るんじゃなくて、
人が“起きよう”って思うからなんだよ。」
夜明けは、誰かの意志の連鎖でできているのかもしれません。
誰かが目を覚ます音が、
また別の誰かを、静かに起こしていく。
空が少しずつ白んでいく。
遠くの街から、ひとつだけ鳥の声が聞こえました。
世界

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