
世界の皆さん、こんにちは🌎
冬のコートを久しぶりに着ると、
ポケットの中に、思いがけない“忘れ物”が入っていることがあります。
今日、僕が見つけたのは、
折れ曲がった小さな紙切れでした。
そこには、文字が書かれていました。
誰に向けて書いたのか、
どんな気持ちのときに書いたのか、
不思議と覚えていませんでした。
「ときどきさ、過去の自分からメッセージが届くよな」
バーナードは、僕の肩でマフラーを揺らしながら、
そんなことを言いました。
たしかに──
未来に期待するより、
過去の僕が願ってくれたことのほうが、
なんだか静かに背中を押してくれる気がします。
ポケットの底で眠っていた小さなメモは、
あの日の僕が今の僕を信じていた証なのかもしれません。
冬の風は冷たいけれど、
その紙切れを握った手だけは、
少しあたたかかった。
世界



















