世界
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12/13 11:02 更新

世界の皆さん、こんにちは🌎
日本には、
琵琶湖や諏訪湖のような
大きな湖がいくつもある。
地図で見ると、
ただそこに“在る”ように見えるけれど、
実はとても落ち着きのない場所に生まれた水たちだ。
大地が押され、引かれ、沈み、
そのたびにできた小さなくぼみに、
雨や雪や時間が、
少しずつ集まっていった。
静かな湖の下では、
今この瞬間も、
地面がわずかに呼吸している。
バーナードが水面を覗き込みながら、
「ねぇ世界、湖って動かないの?」と聞いてくる。
「見えないだけで、
ずっと動いてるよ」
そう答えると、
彼は水の揺れに耳を澄ませた。
日本の湖は、
動き続ける国が生んだ
“止まって見える場所”なのかもしれない。
今日も、
静かな水面に映る空を見ながら、
変わり続けることを、
少しだけ許してみようと思う。
世界
12/11 10:52 更新

世界の皆さん、こんにちは🌎
F1のエンジン音って、
あれはもう“音”じゃなくて、
心臓に直接触れてくる鼓動なんだと思う。
目の前を一瞬で駆け抜けていくマシンは、
速さというより、生きている熱そのもの。
バーナードは耳を伏せながらも、
不思議そうにコースを見つめていた。
「ねぇ世界、どうしてみんな、
あんなに速く走ってるの?」
「きっと自分の“限界”に触れたくて、
その先の景色を見たいからだよ」
そう答えると、
彼は小さくうなずきながら
熱狂の匂いを吸いこんだ。
F1のスピードは、
人が恐れ続けてきた“瞬間”に
勇気を乗せた形だ。
僕も、あのドライバーのように
迷いの影を置き去りにして、
今日を駆け抜けてみたくなる。
コースの風に混じって、
心のどこかでまた、
小さな火が音を立てて燃えている。
世界
12/08 02:51 更新

世界の皆さん、こんにちは🌎
エンジンをかけた瞬間、
胸の奥でふっと火花が散るような感覚になることがある。
車が動き出す前の、
あのわずかな振動と、
ほんの少しだけ上がる回転数の音。
それだけで心が、
「今日を続けてみようか」って
静かに前を向く。
バーナードが膝の上で、
「ねぇ世界、今日はどこまで行くの?」
と、いつものように聞いてくる。
「まだ決めてないよ」
そう答えると、
彼は窓の外に目を細めて、
尻尾をゆっくり揺らした。
目的地なんて、
案外あとからついてくるものだ。
大事なのは
アクセルを踏むという、
ほんの小さな勇気。
心のどこかに灯る火が、
風で消えないように
今日もそっと手を添えながら。
続く道へと走り出す。
世界
12/04 10:26 更新

世界の皆さん、おはようございます🌎
外が少しだけ白んで見えた朝、
なんとなく胸がそわそわして、
僕は窓辺に立って外を眺めました。
ガラス越しに見えたのは、
静かに漂うように舞う、小さな白い粒。
音もなく落ちてくるその姿を見ていると、
時間だけがゆっくりとほどけていく気がします。
机の上で丸くなっていたバーナードが、
ふいに顔を上げて窓の外を見ました。
「世界、あれさ……
空が気まぐれで落とした“メッセージ”みたいだな。」
雪を見つめる彼の瞳は、
なぜかいつもより明るく揺れていました。
初雪は特別です。
冬の冷たさを連れてくるくせに、
どこか優しい温度も含んでいる。
窓にそっと手を添えると、
外の冷たさと部屋の暖かさが、
同じ場所で静かに混ざり合っていました。
僕も、
“変わり始める季節”の入口に立ったような気がして、
白い息をひとつ深く吸い込みました。
世界
12/01 13:39 更新

世界の皆さん、こんにちは🌎
冬のコートを久しぶりに着ると、
ポケットの中に、思いがけない“忘れ物”が入っていることがあります。
今日、僕が見つけたのは、
折れ曲がった小さな紙切れでした。
そこには、文字が書かれていました。
誰に向けて書いたのか、
どんな気持ちのときに書いたのか、
不思議と覚えていませんでした。
「ときどきさ、過去の自分からメッセージが届くよな」
バーナードは、僕の肩でマフラーを揺らしながら、
そんなことを言いました。
たしかに──
未来に期待するより、
過去の僕が願ってくれたことのほうが、
なんだか静かに背中を押してくれる気がします。
ポケットの底で眠っていた小さなメモは、
あの日の僕が今の僕を信じていた証なのかもしれません。
冬の風は冷たいけれど、
その紙切れを握った手だけは、
少しあたたかかった。
世界
11/28 10:53 更新

世界の皆さん、こんにちは🌎
冬の朝、ポケットに入れたカイロの温かさが、
思っていた以上に心まで沁みてくることがあります。
ほんの小さな熱なのに、
指先だけじゃなく、迷いの残っていた場所まで
そっと溶かしていくような感覚。
「ねぇ世界。
人間の心って、
温まる順番がめちゃくちゃなんだよね」
バーナードはマフラーをふわふわ揺らしながら、
そんなことを言って笑いました。
確かに、
体が冷え切っているのに、言葉ひとつで胸が温まったり、
逆にどれだけ重ね着しても、気持ちだけは冷えたままだったりする。
だからこそ、
小さな優しさが、不意にカイロみたいに働くのかもしれません。
手渡される何気ない一言や、
ふとした視線の柔らかさ。
冬は厳しいけれど、
そのぶん人の温度に気づきやすい季節でもあるのだと、
そう思いました。
世界
11/26 12:30 更新

世界の皆さん、こんにちは🌎
冬の朝は、空気が澄みすぎて、
自分の迷いまで輪郭を持ってしまう時があります。
どちらへ進むべきなのか。
何が正解なのか。
決められない心が、白い息のようにふわりと漂います。
「世界、迷うってことはさ、
どっちにも“ちょっといい未来”が見えてるって証拠だよ」
バーナードは、マフラーをもこもこにしながらそう言って、
まるで風の流れを読むみたいに尻尾を揺らします。
確かに、選ぶという行為は、
ひとつの未来を手放すことでもあるけれど、
同時に、もうひとつの未来に触れる扉でもある。
選択肢があるということは、
まだ歩ける道があるということ。
そう思うと、胸の奥で小さな灯りがともりました。
迷ってもいい。
立ち止まってもいい。
ただ、僕は僕の速度で、ゆっくり冬を歩けばいい。
世界
11/23 16:33 更新
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世界
11/20 06:42 更新

世界の皆さん、こんにちは🌎
朝の空気が急に冷たくなって、
指先に季節の変化が触れた気がしました。
冬はいつも、足音を立てずにやってきます。
街の色も、光の角度も、
気づけば少しだけ深く、静かになっている。
バーナードが吐く白い息を見て、
彼は言いました。
「冬ってさ、理由もなく寂しくなるよね。」
僕は答えました。
「理由がなくても寂しくなる季節があるって、
それはそれで面白いよね。」
風が頬に痛いほど冷たくて、
でも、どこか澄んだ匂いがしていました。
冬の入り口は、いつもこうやって、
心の中の余白をそっと広げていくんです。
世界

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